はじめて化粧品を開発しています。ヒトパッチテストを考えていますが、製品の安全性には自信があります。安全性試験は何をすれば良いですか?
この質問はこれまでに一番多くいただいてきた質問になります。
ずばり回答を申し上げますと、どんなに製品に自信があってもパッチテストは必ず実施することをお勧めしております。
たしかに、化粧品の成分にも自信があり、これまでの販売実績からしても化粧品によるかぶれ、肌荒れの報告がない製品であれば、パッチテストを含めて安全性試験の必要はないようにも思えます。
しかし、どんなに問題のない(と思える)化粧品であっても、化粧品へのクレームはある日突然やってきます。そして、消費者の方は化粧品を変更した後でこのようなかぶれの症状が出たのだから、原因は化粧品にあるに違いないと確信しています。
我々皮膚科医が診察すると、実際には原因が化粧品によるものかどうかはっきりしないケースが多いのです。例えば、本当は野外でたまたま触れた草木にかぶれただけで、化粧品が原因でないことも多いのです。しかし、それを証明するのはとても大変なことであり、かぶれのような症状が生じた消費者の方は、原因が化粧品以外である可能性になかなか目を向けてくれません。しかし、そんな時でも、第三者機関によるパッチテストを実施しており、かぶれにくい化粧品である証明があれば、消費者の方も納得してくださるケースが多いのです。
「うちの化粧品で今までかぶれたというクレームはありません」というような感覚的な「経験談」ではなく、「本製品は24時間のヒトパッチテストを事前に行なっており、皮膚刺激指数は低いということを確認しています。全ての人に対して、刺激がないというわけではないが、第三者機関でパッチテスト をしっかり行なっており、皮膚科専門医が確認したレポートがあります」というきちんと記録に残っている事実が大切なのです。
弊社でパッチテストを実施された会社様から、試験後にその化粧品についての消費者からの問い合わせ内容について相談いただくことがあります。事前にパッチテストを弊社で実施させていただいていますから、できるだけご質問にお答えし解決に向けてサポートしております。
突然にやってくるクレームに対して、事前に準備できるよう是非弊社のパッチテストをご活用ください。化粧品だけでなく、雑貨品、シール、おむつ、粘土、おもちゃなど様々な肌に触れる製品に対して試験が可能です。どんな安全性試験をするべきか迷われた場合は、お問い合わせいただければケースに合わせた適切な試験をご案内いたします。
どうぞお気軽にお問い合わせください。
(文:株式会社S2リサーチラボ 皮膚科専門医 下方 征)